世にも奇妙な翔愛学園 第1夜「人形迷宮」 その1

謎のストーリーテラー 怪

こんばんは、皆様、

私はこの世の不思議をお届けする案内人。

今宵から皆様に世にも奇妙な話をお届けしましょう。

今宵紹介する物語は、

1枚のチケットから物語が始まります。

偶然手にしたそのチケット、そして行われる演劇

少女はその演劇を見る為、旧校舎へと赴く。

しかしそこで奇妙な事件に

遭遇することになるでしょう。

果たして少女は、

この奇妙な事件を解決する事が出来るのか…

そしてこの事件の真相を、

少女は手にする事が出来るのでしょうか?

 

 

世にも

奇妙

翔愛学園

 

 

第1夜「人形迷宮」 右代宮楼座

 

2014年7月、それは蒸し暑い夏の日の事でした。

私、右代宮楼座は退屈な日々を過ごしていた。

皐月祭も終わり、もうすぐ夏休みがやってくるというこの季節

退屈な授業を受け、友達と雑談し、

部活に興じ、友達と遊び、そして自宅へ戻る。

そんな退屈な日々、刺激のない毎日に飽き飽きしていた私は

ある日、偶然手に入れた一枚のチケットに興味を抱くようになった。

そのチケットの名は「人形迷宮」

旧校舎で行われる演劇だという。

人形迷宮 その1どこでどう手に入れたのかは不明だけど

何故かこのチケットに興味を抱いた私は

この演劇を見る事にした。

楼座「旧校舎で演劇が観れるってことだけど…

演じるのは、翔愛第二学園の演劇系サークルでもなく

有志団体でもない…か」

どうも妙な話だった。

普通演劇を行うのは演劇系サークルか、

その有志団体だと相場は決まっている。

翔愛第二学園で行われるのなら

なおさら演劇系サークルか有志団体のハズ。

しかし、今回の演劇はそのどれにも当てはまらないらしい。

楼座「しかも、一体誰が演じるのかさえ、わからないってことですか

何とも妙な話ですね」

そう、今回の演劇を演じる役者が誰かはわかっていない上、

チケットに記載されていない。

一応記者の名の下に調べてみましたが、皆目見当が付かず

知っている人物にも巡りあう事も出来ず

結局劇の時間がやってきたというわけだ。

普通ならそんな怪しい演劇はスルーする所なんだけど

楼座「面白いじゃないですか、

謎の役者が演じる演劇とやら、

是非とも見せてもらおうじゃない…」

刺激を求めていた私にとって

こんな演劇が行われるというなら

例えそれが妙な演劇だったとしても、

見学ぐらいはしてみようかと思ってしまう訳で

ともかく私は旧校舎へと足を運ぶ事にした。

人形迷宮 その2旧校舎にたどり着くと、

そこには生徒会の副会長さんである如月アリサ先輩がいた。

彼女は何だか困ったような顔をしていた。

私はいつもの調子で応対する。

楼座「……ん?どうしたんですか?」

アリサ「お話する前に約束して欲しいのです……。

今からわたしがお話することを信じてくださると……」

楼座「はぁ?」

いきなり何を言い出すのか、私は呆気にとられてしまった。

だけど如月先輩は妙に真剣な顔で私に問いかけてくる。

だから私は……

人形迷宮 その4と答えた。

すると如月先輩はしばらく無言のまま私を見つめてくる。

これは信じていいのかどうか、判断していると言う事なんだろうか?

私は苦笑いを浮かべて

楼座「信じてくださいよ^^;」

よほど真剣なことなんだろうか。

彼女はまだ疑っていた。

けど、ようやく信用したのか、如月先輩は口を開いた。

アリサ「それじゃ……

わたし……旧校舎で目撃してしまったんです」

楼座「目撃って……一体何をですか?」

人形迷宮 その6な、なんだってぇっ!?

そ、それは大事件じゃないですか!

まさかの飛び降り自殺!?

翔愛学園始まって以来の大事件?!

いくら刺激を求めていたからって、

そんなグロテスクな内容はNo Thank Youですよ!?

あまりの驚きに声が裏返るほど

叫んでしまった事は言うまでもないだろう。

と、とにかく飛び降りた女の子の安否は?!

警察や救急車は?!などを如月先輩に問いかけると

如月先輩は奇妙な事を言いだした。

アリサ「ところが、女の子は落下中に、

空中でパッと姿を消してしまったんです……。」

楼座「はぁ?」

空中でパッと姿を消した??

そんなバカな…そんな事あり得るのだろうか??

楼座「うーん……」

アニメとかゲームとかなら、あり得るんだろうけど

現実世界で忽然と姿を消すなんて、そんな事…あり得ない…

だけど如月先輩が冗談を言うハズもない。

人形迷宮 その7なんて不安気な目で言われたら、信じるしかないじゃないですか、もう…

楼座「如月先輩を疑ってる訳じゃないですよ」

とりあえずそう言っておこう。

楼座「ただ……」

アリサ「ただ……何でしょう?」

旧校舎をあらためて確認しても、

古びた木造校舎は今にも崩れ落ちそうなくらいに

老朽化している。

雑草も延び放題だし、壁はすすや雨で黒ずんでいる。

楼座「(それに、やっぱりどんなに数え直しても

校舎は2階建てなんですよね……。)」

アリサ「…………?」

そう、この旧校舎はどんなに数え直しても2階建てだった。

いくら勉強が苦手で馬鹿な私でも、それくらいの事はわかる。

だからこそ、3階から女の子が飛び降りたなんてあり得ないと感じた。

楼座「旧校舎って、2階建てでしたよね?」

と付きつけると、如月先輩はそういえばそうだった!と

言わんばかりに驚いていた。

いや、最初に気付きましょうよ如月先輩……。

楼座「でも如月先輩は3階から飛び降りる女の子を目撃したんですよね?」

アリサ「確かに3階でした!

確かに……。」

楼座「………。」

アリサ「………。」

うーん、如月先輩が嘘を吐くとは思えないし

かと言って目の前にある旧校舎は2階建てだし…

だけどもし如月先輩の言う通り2階建てのはずの旧校舎が

3階建てになっていたなら……。

一体、何が起きているのか…。

楼座「(これは……調べる必要があるかもしれませんね)」

私は心の中でそう呟くと、如月先輩は

人形迷宮 その8と確信めいた発言をする。

さらに「私は指差して窓の数を数えたんです。」と付け加えた。

アリサ「確かにあの時は、旧校舎は3階建てだったんです。

……信じてください。」

楼座「も、もちろん信じますよ^^;」

本音を言えば半信半疑だけど、それを言うのは酷な話か

だけど、もしかしたら旧校舎で”何か”が起こっているのかもしれない。

そう感じ取った私は、如月先輩を信じる事にした。

人形迷宮 その9楼座「はい!」

旧校舎で起こっている謎を解明する。

こうなったらとことん調べ尽くしてやろうじゃないですか。

この右代宮楼座!記者歴1ヶ月弱だけども!

この謎を徹底的に解明してやろうじゃないですか!

兄さんの名に賭けてね!!

(何で俺の名を賭けるんだよw)

まぁ何はともあれ、私は如月先輩と共に

旧校舎の奥へと向かったのだった。

 

To be continued…

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